学習を創造的活動に活かそう
教育部では、学習を通じて執行委員や組合員のレベルアップに力を入れています。今月のテーマは「本来の報道機関について」です。
首相官邸で行われる会見で菅官房長官は、内閣記者会(記者クラブ)東京新聞の女性記者の質問に対して「あなたの質問には答える必要ない」と回答し波紋を呼んでいます。本来あるべき報道の姿とは一体。
菅義偉官房長官の会見で、日々食い下がっている女性記者がいます。御用記者が作り上げた忖度のルールを破壊し、真のジャーナリストとして質問を続ける女性記者は、政府や御用記者から煙たがられる一方で、読者からの熱い支持を得ています。
他の記者は、官邸から睨まれたくないのか、保身のための忖度なのかは分かりませんが「知る権利」を冒涜されてもジャーナリストとしての怒りもあらわにせず黙認しました。権力の監視役であるはずの報道機関は、その役割を見失っているのではないでしょうか。
■忖度せぬ真の記者、長官が権力で弾圧■
菅官房長官は本年2月26日の記者会見で、東京新聞の女性記者が、辺野古新基地建設埋めたてに使われている赤土の問題に対して「赤土が広がっている」と指摘。その日の午後の会見では、この記者が質問する際に、官邸報道室長が「簡潔にお願いします」「質問に移ってください」などと言葉を挟み、質問の制限や妨害を繰り返しました。
そして、菅官房長官は、「指摘は当たらない」の一言で片付け、後日、「汚濁が広がっているかのような表現は適切ではない」「事実誤認」と文書で回答を行いました。さらに、「正確な事実を踏まえた質問を」と表現し、東京新聞記者の批判を行ったのです。
■質問を封じる書面、内閣記者会に提出■
菅官房長官の記者会見で、東京新聞記者の質問を封じるような申し入れを総理大臣官邸報道室長名で、内閣記者会あてに行っていたことが判明。東京新聞社は、一昨年秋から計9回、同様の申し入れがあったことを公表しました。
権力の中枢である官邸が、記者を特定して排除するような申し入れは極めて異常です。会見での特定の記者からの個別の質問に対し、官邸が注意喚起の文書を出すことは異例のことです。
このことに対して野党議員から、「全く事実誤認と言い切れるか。取材を封じることは知る権利を封じることだ」と述べたうえで、文書の撤回を要求。菅官房長官は「(東京新聞の質問は)決め打ちだ」とし、「事実に基づかない質問は誤った事実認識を拡散させる恐れがある」と要請の正当性を主張。記者の質問の制限や妨害を行い、市民の「知る権利」を奪うような発言を行いました。
■国民が求めているジャーナリストは■
昨年、加計問題が発覚した際に番記者ばかりの定例会見に乗り込み、菅官房長官とバトルを繰り広げた女性記者。ちなみに彼女の質問が、文科省内の加計学園に関する文書の所在を再調査するきっかけになったと言われています。
本来の報道の姿とは、政界・財界の広告塔のような報道をするのではなく、国民の知る権利のある真実、普天間基地移設問題(普天間基地の早期返還や辺野古新基地建設・埋めたて工事)や福島原発問題(原発の現状や復興の進捗)を歪んだ発信をすることなく、包み隠さずに報じることです。
いま私たちに求められているのは、腐敗し迷走し国民を蔑ろにしている安倍自公政権に、「NO!」を突きつけることです。
【 くさり4月号より 】